フランス革命で使われた国旗の色とその意味は?

フランス革命で使われた国旗の色とその意味は?

青と赤は自由都市パリを表し、白は伝統的な王権を象徴していた。異なる価値を融合させた配色が、革命後の新しい国家像につながったのである。本ページでは、フランス革命の国旗の象徴性や色彩の由来を理解する上で重要なこのテーマについて、さらに詳しく掘り下げ解説していく。

三色旗


フランス革命のころに生まれた三色旗(トリコロール)の「赤・白・青」って、色ごとにちゃんと意味があると聞きました。でも、その意味が時代によって変わったり、いろんな解釈があるとも聞いて、ちょっと混乱しています。
そもそも、なぜこの3色が選ばれたのか?それぞれの色にはどんな象徴が込められていたのか?革命との関わりも含めて教えてください。



フランスの三色旗(トリコロール)は、今や国家のシンボルとしておなじみですが、その起源はまさにフランス革命の真っ只中にあります。そしてこの「赤・白・青」には、色ごとに込められた意味があり、革命を象徴するものとして人々に受け入れられていったのです。


それぞれの色に込められた象徴的な意味

最初に知っておきたいのは、三色旗の「赤・白・青」は、最初からはっきりと決まった意味を持っていたわけではないということです。ただし、革命当時の人々がこの3色に込めた象徴的な解釈は、次第に共有されていきました。


  • :パリ市の伝統的な色。自由を求める都市の象徴。
  • :同じくパリ市の色で、民衆の情熱や闘争の象徴とされる。
  • :ブルボン王家を象徴する伝統色で、フランスそのものを表すとされた。


この3色を組み合わせたことは、つまり「王と民衆の和解」「新しい国家の統一」を象徴するものでした。ラファイエット将軍が国民衛兵の制服として提案したのがきっかけとされています。


革命のなかで意味が深まり、変化していった

革命が進むにつれて、三色の持つ意味合いにも変化が現れていきます。当初は「王と民衆の融合」という中道的なイメージもありましたが、やがて王政そのものの否定が革命の主流になると、白の「王権」的な意味合いは薄れ、「祖国そのもの」を意味するようになっていきました。


一方で、青と赤はますます民衆の色として強く意識され、革命に命を懸ける人々の象徴となっていきます。三色はそれぞれの立場を示すものから、「共和国の理念を表す色」へと姿を変えていったのです。


つまり、この旗の色は固定された意味を持っていたのではなく、その時々の歴史や政治状況とともに、意味を変えていく柔軟な象徴だったとも言えるでしょう。


今も生き続ける「色のメッセージ」

今日のフランスにおいて、三色旗は共和国の精神を体現するものとして扱われています。学校の掲揚台や公共施設、パレードや式典など、さまざまな場面でこの旗が使われるたび、人々はその背後にある歴史と理念を感じ取っています。


この三色は「自由(青)」「平等(白)」「友愛(赤)」という形でも解釈されることがありますが、それは後世の付け足しであり、革命当時の明確な定義ではありません。でも、その解釈が人々の中で生き続けていること自体が、この旗の象徴力の強さを物語っています。


だからこそ、三色旗は単なる国のマークではなく、革命の精神を日常に宿した色のメッセージなんですね。


三色旗に使われた「赤・白・青」のそれぞれの色には、革命の理念や時代の変化が織り込まれてきた背景があります。


はじめは「王と民衆の和解」を象徴するものでしたが、やがてそれは民衆が自らの力で国家をつくるという決意の象徴へと変化しました。


このように、色は単なる装飾ではなく、時代とともに意味を深める歴史の語り部でもあるのです。