
フランス革命の前、平民だけが重い税金を払わされていたって聞いたけど、どんな税があったの?不平等の仕組みを教えて!
フランス革命前の旧体制(アンシャン・レジーム)では、平民(第三身分)だけが重い税金を課される不平等な制度が存在していました。一方で、貴族や聖職者は多くの免税特権を持ち、国家財政を支えるのはほぼ平民だけという状況でした。この仕組みが、革命の引き金となった大きな要因の一つです。
平民に課された主な税金には、まず人頭税(タイル)があります。これは、収入や財産に関係なく全ての平民に課される税金で、貧しい人々にとって特に負担が重いものでした。また、土地税(タロン)は、農民が所有する土地や収穫物に対して課される税で、農村部の貧困層に大きな打撃を与えました。これに加えて、平民は労働力を無償で提供する義務労役(コルヴェ)にも従事しなければならず、これも実質的な税負担として機能していました。
一方、貴族や聖職者(第一・第二身分)はこうした税をほぼ免除されていました。彼らは広大な土地や財産を所有していながら、国庫に対してほとんど貢献していませんでした。その上、農民から地代や収穫物の一部を徴収する権利を持っており、経済的に大きな利益を享受していたのです。
三身分
税負担を初めとする不平等な社会構造を風刺した絵画。快適に座る貴族と聖職者(第一身分と第二身分)と、その下で労働を背負う第三身分が描かれている。。
(出典:Creative Commons Public Domainより)
こうした不平等な税制度の中で、平民は生活に必要な資金や食料を確保するのも困難でした。この不満が次第に革命への動機となり、1789年の三部会やその後の革命運動の中で、「平等な課税」を求める声が高まったのです。
フランス革命前の税制は、貴族や聖職者が特権を享受する一方で、平民だけに重い負担を押し付ける不平等な仕組みでした。この不満が旧体制の崩壊を促し、革命の原動力となったといえるでしょう。