フランス革命軍はどんな兵士で構成されてたの?

フランス革命軍はどんな兵士で構成されてたの?

フランス革命軍は、徴兵による農民や都市労働者、旧王立軍の兵士、そして志願兵で構成されていた。多様な背景を持つ兵士たちが革命理念のもとに結集したのである。この混成構造は士気や戦術にも影響を与えた。本ページでは、フランス革命軍の人員構成と特徴を理解する上で重要なこのテーマについて、さらに詳しく掘り下げ解説していく。

フランス革命戦争で戦った「革命軍」って、具体的にはどんな人たちで構成されていたのでしょうか? 従来の王立軍と同じような兵士なのか、それとも革命ならではの特徴があったのかが気になります。国民皆兵とか義勇兵といった言葉も耳にしますが、その実態や背景まで詳しく知りたいです!



フランス革命軍は、それまでの王立軍とはまったく異なる国民的な軍隊でした。革命の理念を守るため、身分や出自を問わず幅広い層の人々が兵士となり、近代的な大規模動員の先駆けとなったのです。


旧王立軍からの移行と義勇兵の参加

1789年の革命勃発時、フランスにはまだ王立陸軍が存在しており、多くの将校は貴族出身でした。しかし革命が進むにつれ、亡命や処刑で士官層が大きく欠け、その穴を埋める形で市民や下級士官が昇進。革命を支持する人々が自発的に軍に加わる義勇兵部隊が各地で結成されます。これらは地方ごとに制服や装備もまちまちでしたが、愛国心と革命精神でまとまっていました。


国民皆兵制と徴集兵の登場

1793年、対外戦争が激化する中でフランスは国民皆兵制(ルヴェ・アン・マス)を実施します。これは18〜25歳の未婚男性を対象に全国規模で徴兵する制度で、百万人規模の軍が編成されました。農民や職人、学生など、これまで戦争と無縁だった層も兵士となり、社会全体が戦争体制に組み込まれます。
この政策は人員不足を解消しただけでなく、「祖国防衛は国民全員の義務」という近代国家の発想を定着させました。


多様な背景を持つ兵士たち

革命軍には、都市の労働者や農民だけでなく、共和制を支持する中産階級、さらには外国からの志願兵も含まれていました。ポーランド、イタリア、ドイツなどの革命共感者がフランスの軍旗の下に集まり、国際色豊かな部隊も編成されます。こうした多様性は軍隊内部の文化や士気にも影響を与え、歌や象徴(マルセイエーズや三色旗)が兵士たちの連帯感を高めました。


Philippe Lenoir by Horace Vernet

国民衛兵の軍服を着たフィリップ・ルノワールの肖像/オラース・ヴェルネ作
(出典:Creative Commons Public Domainより)


つまりフランス革命軍は、旧体制の軍隊から脱皮し、国民全体が兵士となる近代的な「国民軍」へと変貌した存在でした。その多様な構成と革命精神が、ヨーロッパ諸国との戦いを支える原動力となったのです。