フランス革命期の聖職者といえば?

フランス革命関係者に関する一問一答

「フランス革命期の聖職者といえば?」という問いに対する回答になります。聖職者たちの旧体制への関与、革命期の宗教改革、さらには反革命運動への参加などを詳しく解説します!

フランス革命期の聖職者といえば?

フランス革命のとき、聖職者たちってどんな立場だったの?有名な人物や彼らの動きを詳しく教えて!

フランス革命(1789–1799)では、聖職者たちは重要な役割を果たしつつも、革命を巡って立場が大きく分かれました。一部は改革を支持し、新しい体制を目指しましたが、他方では伝統的なカトリック教会の立場を守り、反革命の象徴となりました。その動きを詳しく見ていきましょう。

 

まず、第一身分として特権を享受していた聖職者たちの多くは、革命の初期段階で改革を支持しました。特に、聖職者であり政治思想家でもあったエマニュエル=ジョゼフ・シェイエス(1748–1836)は、『第三身分とは何か』を執筆し、国民議会の設立を推進しました。彼は、教会の改革がフランス社会の平等を実現する鍵だと考え、革命の理念を支持した聖職者の代表的な存在でした。

 

エマニュエル=ジョゼフ・シェイエスの肖像

エマニュエル=ジョゼフ・シェイエスの肖像
「第三身分とは何か」を著し、フランス革命における社会的及び政治的変革の必要性を訴えた思想家。
(出典:Creative Commons Public Domainより)

 

一方で、革命が進むにつれて、聖職者の多くが厳しい選択を迫られることになります。特に、1790年に採択された聖職者民事基本法は、聖職者を国家の支配下に置くことを目的としていました。これに反発した多くの聖職者が、新体制を拒否し、反革命運動に参加しました。この中で注目されるのが、ヴァンデー反乱に関与した聖職者たちです。彼らは信仰の自由を守るため、地方の農民たちを率いて革命政府に対抗しました。

 

また、教会の象徴を廃止しようとする脱キリスト教化政策も、聖職者と革命政府の対立を激化させました。教会財産の没収や宗教行事の制限が進む中で、多くの聖職者が国外に亡命するか、地下活動を余儀なくされました。一方で、国家に忠誠を誓った「宣誓聖職者」もおり、彼らは革命政府の宗教政策に協力しました。

 

フランス革命期の聖職者たちは、改革を支持する側と反革命運動を行う側に分かれ、社会や政治に大きな影響を与えました。その姿は、革命が宗教と政治の関係を大きく変えたことを物語っています。