フランス革命の始まりと終わりはいつ？

フランス革命は、一般的に1789年7月14日のバスティーユ牢獄襲撃をもって始まりとされます。この日は、民衆が王権に対する武装蜂起を行い、絶対王政の崩壊へと向かう大きな引き金となった出来事でした。

革命の終わりについては諸説ありますが、最も広く採られているのは1799年11月9日（ブリュメール18日）、ナポレオン・ボナパルトがクーデタを起こして総裁政府を倒し、統領政府を樹立した日です。これにより第一共和政は事実上終わり、軍事的指導者による新体制へ移行しました。

始まり：1789年の革命的転換

フランスの財政危機と身分制度への不満が高まる中、1789年5月に三部会が招集され、第三身分が国民議会として独立を宣言します。そして7月14日、パリ市民が武器と火薬を求めてバスティーユ牢獄を襲撃。この事件は「人民が王権に立ち向かった日」としてフランスの国民的記念日にもなっています。

バスティーユ襲撃
フランス革命の始まりを象徴する「バスティーユ牢獄襲撃事件」を描いた絵画
（出典：Creative Commons Public Domainより）

この日を境に、封建的特権の廃止、人権宣言の採択など、社会・政治の大改革が一気に進みました。

終わり：1799年のブリュメール18日クーデタ

革命の10年間で、立憲君主制から共和制、恐怖政治、総裁政府と体制がめまぐるしく変化します。最終的には、政治の混乱や経済の不安定さから軍事的指導力への期待が高まり、ナポレオンがクーデタを決行。総裁政府は倒れ、三人の統領による新体制が始まります。

この出来事は、革命の理念が終焉し、権力が一人の指導者に集中する時代への転換点とされています。

ほかの終わりの解釈

一部の歴史家は、1794年のテルミドール9日（ロベスピエール失脚）や、1795年の総裁政府発足を「革命の終わり」とみなすこともあります。また、ナポレオンの皇帝即位（1804年）を最終的な終着点とする立場もあります。