「人は生まれながらにして自由で平等な権利を持つ」って何権だっけ?

フランス革命と法律・憲法に関する一問一答

「人は生まれながらにして自由で平等な権利を持つ」という問いに対する回答になります。自然権、人権宣言、社会契約説などに着目し、フランス革命における人権思想について理解をいっそう深めて行きましょう!

「人は生まれながらにして自由で平等な権利を持つ」って何権だっけ?

「人は生まれながらにして自由で平等な権利を持つ」ってどんな権利?また、フランス革命との関係も教えて!

このフレーズが指すのは、自然権という考え方です。この思想は、人が生まれながらにして持つ権利であり、自由平等、さらに生命や財産の保護などを含みます。こうした概念は18世紀の啓蒙思想家たち、特にジャン=ジャック・ルソー(1712-1778)ジョン・ロック(1632-1704)によって広められました。そして、この自然権の考え方は、フランス革命の精神的な柱となったのです。

 

Portrait of Jean-Jacques Rousseau

ジャン=ジャック・ルソーの肖像
ルソーの思想は、1789年のフランス人権宣言に影響を与えた。特に彼の「社会契約論」で提唱される自由と平等の概念が、宣言の基本原理に反映されている。
(出典:Creative Commons Public Domainより)

 

フランス革命の象徴的な文書である「人間と市民の権利の宣言」(1789年)では、自然権が明確に掲げられました。この宣言の冒頭には、「人は生まれながらにして自由であり、権利において平等である」と記され、すべての人が法のもとで平等であること、また自由を享受する権利があることを強調しています。

 

Declaration of the Rights of Man and of the Citizen

人権と市民の権利の宣言/1789年
フランス革命の中心的な成果であるこの文書は、人間の普遍的な権利を宣言し、近代民主主義の基礎を形成、法体系の発展に大きな影響を与えた。
(出典:Creative Commons Public Domainより)

 

当時のフランス社会は、旧体制(アンシャン・レジーム)のもとで貴族や聖職者が特権を持ち、多くの人々が不平等を強いられていたため、これを否定する強いメッセージでもありました。

 

つまり、自由で平等な権利を持つという思想は、個人の尊厳を守り、社会の仕組みを根本から変える大きな力となったのです。これがフランス革命を通じて広がり、現代の人権思想の基盤を築いたわけですね。