
フランス革命のとき、カトリック教会とどんな関係だったの?革命が教会に与えた影響を教えて!
フランス革命はカトリック教会との関係において大きな転換点を迎えました。それまでのフランス社会では、カトリック教会が旧体制(アンシャン・レジーム)の重要な一部として、精神的指導だけでなく社会的・経済的にも大きな力を持っていました。
教会は土地の約10%を所有し、貴族や国王とともに特権階級として免税などの優遇を受けていました。このため、教会は不平等の象徴と見なされ、革命派から強い反発を受けることになります。
革命が始まると、1789年に教会財産の国有化が宣言され、教会はその経済基盤を失いました。さらに1790年には聖職者市民憲法が制定され、聖職者は国家への忠誠を誓うことを義務づけられました。この政策により教会内部で大きな分裂が生じ、「憲法派聖職者」と「反対派聖職者」という二つの勢力が生まれ、信者たちも混乱に巻き込まれました。
その後、革命が急進化する中で理性崇拝運動が進められ、カトリック教会に対する迫害が本格化します。教会は廃止され、多くの聖職者が追放されるか処刑されました。しかし、ナポレオンの登場により、1801年に宗教協約(コンコルダート)が結ばれ、カトリック教会とフランス政府の関係は一定程度修復されました。ただし、この協約では教会は国家の管理下に置かれ、旧体制のような特権は復活しませんでした。
『1801年のコンコルダートの署名』/フランソワ・ジェラール作
フランス革命後のカトリック教会との和解を象徴する歴史的瞬間を描いた絵画。フランス革命によって引き起こされた政教の断絶を修復し、ナポレオンの政権下で教会の公的地位が回復された。
(出典:Creative Commons Public Domainより)
このように、フランス革命はカトリック教会に大きな打撃を与え、特権を失わせる一方で、世俗国家としてのフランスの基盤を築く契機となったのです。教会と国家の関係はこの革命を境に根本的に変わりました。