
フランス革命の時に三部会と国民議会って出てくるけど、この二つはどう違うの?それぞれの特徴や役割を教えてほしい!
三部会と国民議会は、フランス革命の中で重要な政治的役割を果たした組織ですが、その性質や目的には大きな違いがあります。それぞれを比較しながら見ていきましょう。
まず三部会は、フランスの旧体制(アンシャン・レジーム)のもとで機能していた身分制議会です。第一身分(聖職者)、第二身分(貴族)、第三身分(平民)の代表から構成され、身分ごとに別々に討議し、各身分に1票ずつの投票権が与えられていました。しかし、人口の約98%を占める第三身分が他の身分と同じ1票しか持たないという仕組みは、第三身分にとって不公平であり、大きな不満の原因となりました。この三部会は、1789年5月、財政危機を解決するためにルイ16世によって招集されましたが、結果的に改革が進まず、革命の引き金となります。
一方、国民議会は、三部会に不満を持った第三身分の代表が、他の身分からの一部の支持者とともに1789年6月に結成した議会です。彼らは「国民全体の利益を代表する」という考えのもと、テニスコートの誓いを通じて憲法制定を目指しました。国民議会は、身分に関係なく「個人の投票権」に基づいて議論を進める民主的な体制を目指しており、これは旧体制からの脱却を象徴する重要な一歩となりました。
三部会 | 国民議会 | |
---|---|---|
設立時期 | 1302年 | 1789年 |
構成 | 聖職者、貴族、平民 | 主に平民から成る議員 |
代表性 | 各身分が独立して意見を提出 | 身分の区別なく全国民を代表 |
目的 | 王権の補佐として税制などを審議 | フランス革命を進めるための改革議論 |
影響力 | 制限的、主に王の顧問的役割 | 革命的、立憲制度の導入へ影響大 |
三部会は旧体制の不平等を象徴する存在であり、国民議会はその不満から生まれた新しい時代を象徴する組織でした。この変化は、フランス革命の本質である「自由と平等」の追求を体現していると言えるでしょう。
テニスコートの誓い/アウグスト・クーダー作
1789年6月20日にテニスコートで行われた誓いの場面を描いた絵画。この作品は国民議会のメンバーが集まり、フランスに憲法を制定するまで解散しないと誓った歴史的瞬間を表現しており、フランス革命の象徴的なシーンとされる。
(出典:Creative Commons Public Domainより)