
フランス革命って表に出てくる有名人だけじゃなく、裏で動いていた「黒幕」もいたのかな?誰がどんなふうに関わってたのか教えて!
フランス革命(1789–1799)には、表舞台で活躍した政治家や思想家だけでなく、「黒幕」と呼ばれる存在についても様々な議論があります。この「黒幕」とは、直接的な指導者ではないものの、革命を陰で操ったり、影響を与えたとされる勢力や人物を指します。
まず注目されるのが、フリーメイソンや啓蒙思想家たちの存在です。フリーメイソンは、自由と平等を掲げる思想を持つ秘密結社として知られ、多くのブルジョワジーや革命指導者たちがその一員だったと言われています。フリーメイソンの集会では、啓蒙思想が広められ、旧体制の批判や新しい社会構築の構想が議論されました。ただし、彼らが実際に革命を意図的に計画したかどうかについては証拠が不十分であり、歴史的には議論の余地があります。
次に、エマニュエル=ジョゼフ・シェイエス(1748–1836)のような裏で動いた思想家も「黒幕」として注目されることがあります。彼は『第三身分とは何か』を著し、革命の理念を広める一方で、国民議会の設立を主導するなど、表には出にくい形で革命を支える役割を果たしました。また、1799年にはナポレオンを擁立するクーデター(ブリュメール18日のクーデター)を画策した一人でもあります。
エマニュエル=ジョゼフ・シェイエスの肖像
「第三身分とは何か」を著し、フランス革命における社会的及び政治的変革の必要性を訴えた思想家。
(出典:Creative Commons Public Domainより)
さらに、外国勢力の影響も議論の対象です。特に、イギリスがフランス革命を利用してヨーロッパでの勢力均衡を図ったという説や、イギリスが反革命派を支援する一方で革命の混乱を助長したという主張があります。ただし、これも「黒幕」としての直接的な証拠は乏しいとされています。
フランス革命の「黒幕」とされる存在には、フリーメイソンや思想家、外国勢力などが挙げられますが、実際にはそれぞれの動きが複雑に絡み合い、単独の黒幕がいたとは言い難いのです。このような見方は、革命の多面性を理解するための興味深い視点と言えるでしょう。