
フランス革命といえばマリー・アントワネットの悲劇が有名ですが、その陰で彼女を支えたフェルゼン伯爵。彼はどんな役割を果たし、革命にどう関わったのでしょうか?
アクセル・フォン・フェルゼン(1755–1810)は、フランス革命期にマリー・アントワネットを支えたことで知られるスウェーデンの貴族です。彼女との関係は単なる友情を超えたものだったとも言われていて、革命の大混乱の中で彼女を守ろうと奮闘しました。特に注目されるのがヴァレンヌ逃亡事件での活躍です。
フェルゼンは、王室一家が国外に逃げるための脱出計画を練り上げ、その実行に携わりました。変装用の服や馬車の手配をしたり、逃亡ルートを整えたり、細かいところまで自分で動いていたんです。でも、この計画は途中で失敗してしまいました。パリを脱出して順調に見えた矢先、ヴァレンヌという街で一家が捕まっちゃったんですね・・・。
この出来事は王室の権威を完全に失墜させる結果になりました。フェルゼン本人はその場にいなかったので無事でしたが、彼の名はこの計画と切り離せないものになっています。
それからも彼は亡命した王室の支援を続けましたが、結局マリー・アントワネットを救うことはできませんでした。彼女の処刑後は深い悲しみに包まれ、スウェーデンでその生涯を閉じることになります。ちなみに、彼の死もなかなか波乱に満ちていて、暴徒に襲われ命を奪われたと言われています。
フェルゼンは、フランス革命という荒波の中で愛と忠誠を貫いた人物でした。彼の物語は、革命の激動の裏にある人間ドラマを感じさせますね。
アクセル・フォン・フェルゼン(1755–1810)
マリー・アントワネットとの交流で知られており、革命期にはフランス国王夫妻の助命に尽力した。革命の混乱からは逃れたが、1810年自国スウェーデンの暴動でリンチにあい死去。
(出典:Creative Commons Public Domainより)