身分対立の原因!紛糾した三部会の議決方法とは?

フランス革命期の派閥・党派に関する一問一答

「対立につながった三部会の議決方法を教えて!」という問いに対する回答になります。三部会における不平等な投票方法と、それが身分間対立を引き起こした背景を詳しく解説します!

身分対立の原因!紛糾した三部会の議決方法とは?

フランス革命前に招集された三部会って、身分間の対立がひどかったって聞いたけど、議決方法が原因だったの?その仕組みを教えて!

三部会の議決方法が、身分間の対立を激化させた大きな原因でした。この対立が、最終的にはフランス革命へと繋がっていくのです。では、どんな仕組みが問題だったのか、詳しく見ていきましょう。

 

まず、三部会はフランスの旧体制(アンシャン・レジーム)に基づいて第一身分(聖職者)第二身分(貴族)第三身分(平民)の代表から構成されていました。それぞれの身分が別々に討議を行い、最終的には「1身分1票」の方式で議決を行う仕組みになっていました。ここに問題がありました。

 

第三身分 1789

第三身分、1789年
フランス革命前の第三身分と特権身分(第一身分と第二身分)の不平等を風刺したイラスト
(出典:Creative Commons Public Domainより)

 

第三身分は人口の約98%を占めていたにもかかわらず、第一身分と第二身分と同じ1票しか持っていなかったのです。一方、第一身分と第二身分は人口は少ないものの、特権階級として多くの利益を享受しており、彼らはほとんどの場合で共通の立場を取りました。そのため、第三身分が圧倒的多数を占めていても、1対2で常に不利な立場に置かれることになったのです。

 

1789年、三部会が招集された際、第三身分は「個人単位での投票」を求めました。これは、代表者全員が1票ずつを持つ公平な方式です。しかし、第一身分と第二身分がこれを拒否したため、議会は紛糾しました。この不満が高まり、第三身分は「国民議会」を結成して独自に行動を開始するに至ります。

 

このように三部会の不平等な議決方法は、旧体制の矛盾を象徴するものであり、革命の引き金となった対立を生み出しました。この対立は、フランス社会が大きく変わるきっかけだったのです。