
フランス革命って、歴史の中で「近世」と「近代」のどっちに入るんでしょうか? 中世と近代の間をつなぐ近世の出来事なのか、それとも近代の幕開けそのものなのか──歴史区分の基準とあわせて整理して教えてほしいです!
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フランス革命は、時代区分としては近代の始まりに位置づけられるのが一般的です。とはいえ、革命が起きた18世紀末は、まだ多くの国で封建的な仕組みや身分制が残っており、政治や社会は「近世的な要素」と「近代的な要素」が入り混じった過渡期でもありました。
歴史学では、近世は中世の封建制度が緩み、中央集権的な絶対王政や商業の発展が進む時代を指します。フランスではブルボン朝の絶対王政がまさにそれで、貴族や聖職者の特権が強く、市民や農民は不平等な地位に置かれていました。
1789年に始まったフランス革命は、これらの封建的・身分的な制度を廃止し、「法の下の平等」や「国民主権」といった近代的理念を掲げます。この理念の実現は、まさに近代社会への決定的な一歩でした。
革命期には、人権宣言や憲法制定、財産権の保障、市民による政治参加の仕組みなど、近代国家の基礎となる制度が整えられました。また、啓蒙思想の影響を受けた合理的な政治観や社会観が広まり、ヨーロッパ全体に近代化の波を広げていきます。
三身分
フランス革命前の特権身分と第三身分の社会的格差を象徴的に描いた絵画。フランス革命では、このような特権階級による圧迫と不平等な社会構造を批判し、近代社会への移行を促した。
(出典:Creative Commons Public Domainより)
そのため、フランス革命は近世の末期に発生した出来事でありながら、結果として近代の扉を開いた時代の転換点とされています。日本や他国の歴史区分でも、18世紀末~19世紀初頭を「近代のはじまり」として扱うケースが多いです。
このようにフランス革命は、近世的な制度を終わらせ、近代の価値観と制度を打ち立てた出来事として位置づけられます。つまり「近世の終わりであり、近代の始まり」という二つの顔を持っているのです。
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