
ラボアジェって科学者だよね?でもフランス革命とも関わりがあったって聞いたよ。彼がどんな役割を果たしたのか教えてほしい!
アントワーヌ=ローラン・ラボアジェ(1743–1794)は「近代化学の父」と呼ばれるほど偉大な科学者ですが、フランス革命期には政治や経済の分野にも関与していました。その結果、彼の人生は革命の激動に大きく影響を受けることになったんです。
ラボアジェは、科学者として酸素の発見や燃焼理論の確立など、化学の発展に大きく貢献しましたが、それだけではありません。彼は徴税請負人という役職に就き、フランスの財政を支える重要な役割も果たしていました。この徴税請負人は、王室に代わって税を徴収する立場にあったので、革命が進む中で「民衆から搾取している」と見なされてしまったのです。
さらに、ラボアジェはフランスの度量衡(単位系)の統一にも深く関わりました。メートル法の確立に尽力し、科学を通じて国の改革を支えようとしたんですね。しかし、こうした努力も革命期の混乱の中では評価される余裕がなくなっていきました。
1794年、恐怖政治が最高潮に達した時期、ラボアジェは徴税請負人としての役割を批判され、反革命的とされてギロチンにかけられてしまいました。彼の死後、数学者のラグランジュが「彼の首を落とすのにわずか一瞬だが、再び得るには数世紀かかるだろう」と語った言葉は有名です。
ラボアジェは科学者としても行政官としても優れた人物でしたが、革命の激動の中でその才能が無情にも潰されてしまったのです。彼の人生は、革命期の厳しさと科学の力の可能性を同時に象徴していますね。
ラヴォアジエと彼の妻の肖像/ジャック=ルイ・ダヴィッド作、1788年
化学の実験を行うラヴォアジエと彼の妻を描いた絵画
(出典:Creative Commons Public Domainより)