
フランス革命で全国三部会が招集されたのはどうしてなの?財政難が関係しているって聞いたけど、具体的な理由を教えて!
全国三部会が招集されたのは、フランス革命の引き金となった出来事の一つです。その理由の中心にあったのが、深刻な財政危機と社会の不満でした。
18世紀後半のフランスでは、戦争や宮廷の浪費が財政を圧迫し、国の借金が膨らんでいました。特にアメリカ独立戦争(1775–1783)への介入で財政が悪化し、税収だけでは支出を賄えなくなったのです。この状況を打開するために、ルイ16世(1754–1793)は特権身分である貴族や聖職者にも課税しようとしました。しかし、彼らは自分たちの特権を守るためにこれに強く反発します。
そこで、ルイ16世は1789年、全国三部会を招集しました。この三部会は、聖職者(第一身分)、貴族(第二身分)、平民(第三身分)から構成される議会で、1614年以来、一度も招集されていなかったんです。彼がこの議会を開いたのは、特権身分を説得し、財政改革を進めるためでした。
1789年5月5日、ヴェルサイユで開かれた三部会
1839年にルイ・シャルル・オーギュスト・クーダーによって描かれたこの絵画は、フランス革命へと繋がる政治的変革の瞬間を捉えている。
(出典:Creative Commons Public Domainより)
ところが、議論は思いがけない方向に進みます。第三身分は、自分たちが国民の大多数を占めているのに、議決権で第一身分や第二身分と同じ扱いを受けることに不満を抱きました。これが、やがて国民議会の結成や「テニスコートの誓い」につながり、フランス革命の火種となります。
全国三部会の招集は、財政問題を解決するための一手でしたが、結果的に革命の始まりを象徴する出来事となったのです。それだけ社会の緊張が高まっていたわけですね。