
フランス革命戦争って、戦争に勝ったフランスが領土を広げたって聞くけど、どれくらい拡大したの?
フランス革命戦争(1792年~1802年)は、フランスがヨーロッパ諸国と戦いながら、領土を大きく拡大した戦争でした。当時のフランスは、革命に反発する周辺諸国と戦争状態にあり、これをきっかけに自国の勢力を広げる結果となりました。
まず、フランスは1795年に締結されたバーゼルの和約を通じて、神聖ローマ帝国の一部であるライン左岸地域(現在のドイツ西部)を占領しました。また、革命戦争の過程でイタリア北部を制圧し、1797年のカンポ・フォルミオ条約によってオーストリアからロンバルディアを獲得しました。
バーゼルの和約後の中央ヨーロッパ
1795年にスペインとフランス間で締結されたバーゼルの和約で、フランスは領土拡大を果たし、特にルシヨン地方がフランス領となった。
(出典:Creative Commons Public Domainより)
さらに、オランダ(バタヴィア共和国)、スイス(ヘルヴェティア共和国)、イタリア諸地域(チザルピーナ共和国やローマ共和国など)に衛星国家を設立し、これらを事実上のフランスの影響下に置きました。
この領土拡大の背景には、革命によるナショナリズムと軍事的成功があります。フランス軍は徴兵制を導入し、民衆の士気を高めながら強力な軍隊を築きました。
これによりヨーロッパ諸国に対して優位に立ち、領土を次々と広げていったのです。ただし、これらの拡大は後のナポレオン時代の侵略政策にもつながり、ヨーロッパ全体を巻き込むさらなる戦争の火種ともなりました。
このように、フランス革命戦争はフランスの勢力をヨーロッパ中に広げる一方で、その領土拡大が新たな紛争の原因にもなったのです。フランスの拡張政策は、革命の理念を広めるとともに、国際秩序を大きく揺るがしたといえるでしょう。