
フランス革命で掲げられたスローガン「自由、平等、博愛」って、どんな意味が込められているの?それぞれの言葉の背景も教えてほしい!
フランス革命の象徴的なスローガンである「自由、平等、博愛」(Liberté, Égalité, Fraternité)は、革命の理念を端的に表現したものです。それぞれの言葉にどのような意味が込められているのか、詳しく見ていきましょう。
『自由を導く民衆』/ウジェーヌ・ドラクロワ作、1830年
フランス革命がもたらした自由、平等、博愛を象徴する「自由の女神」が、民衆を率いる姿を描いている。理想を追求する民衆の力強い表現が印象的。
(出典:Creative Commons public domainより)
まず「自由」は、個人が自分の意思で行動し、外部の権力や圧力によって制限されないことを意味します。この自由には、当時の絶対王政から解放されることや、宗教や思想の自由が含まれていました。啓蒙思想の影響を強く受けたこの理念は、人々が平等な立場で自分の権利を主張できる社会の基盤と考えられていました。
次に「平等」は、法律や制度の下で身分や財産にかかわらず全ての人が同等に扱われるべきだという考えです。旧体制(アンシャン・レジーム)では、貴族や聖職者が特権を持つ一方で、第三身分(平民)は重税を課されていました。フランス革命はこの不平等を打破し、社会の公平さを実現するために行われた運動でした。
最後に「博愛」は、人々が互いに助け合い、連帯を持つことで社会全体を支えるという理念を指します。これは、単なる個人主義を超えた共同体としての調和を目指したもので、フランス革命が目指した新しい市民社会の理想でした。
「自由、平等、博愛」は、フランス革命の精神そのものを表し、人権宣言やその後の世界に大きな影響を与えた理念だったのです。これらの言葉は、現在でも多くの国の民主主義の礎となっていますね。
フランス共和国の理念を象徴する「自由、平等、友愛」が掲げられたフランス・ヨンヌ県の市庁舎。これらの原則は、公共の建物に日常的に組み込まれ、市民にその価値を思い出させる。
(出典:Creative Commons CC BY-SA 4.0より)