
フランス革命の混乱期には暗殺事件がいくつも起こったらしいけど、どんな事件があったの?背景やその影響も知りたい!
フランス革命(1789–1799)の混乱期には、政治的な対立や理念の違いから暗殺事件がいくつも発生しました。その中でも特に有名なのがジャン=ポール・マラー暗殺(1793年)です。
マラーは、急進的な革命家として知られ、新聞「人民の友」を通じて民衆を扇動し、恐怖政治を支える中心人物の一人でした。しかし、彼の過激な政策に反発する穏健派のシャルロット・コルデー(1768–1793)が1793年7月13日に彼を暗殺しました。コルデーは、マラーの自宅に訪れた際に彼を浴槽で刺殺し、「恐怖政治を終わらせるため」と語っています。彼女はすぐに逮捕され、処刑されましたが、この事件は恐怖政治をさらに強化する結果を招きました。
ジャック=ルイ・ダヴィッドによるマラーの死/1793年
1793年ジャック=ルイ・ダヴィッド作。革命指導者ジャン=ポール・マラーの暗殺を描いており、フランス革命時の社会的緊張と政治的混乱を示している。
(出典:Creative Commons Public Domainより)
他にも、恐怖政治の終焉を告げる事件としてロベスピエールの処刑(1794年)が挙げられます。彼自身が暗殺されたわけではありませんが、反対派によるクーデターによって失脚し、処刑されました。この事件は、恐怖政治に終止符を打ち、革命が新たな段階に進むきっかけとなりました。
また、直接の暗殺ではありませんが、革命期の混乱の中で多くの要人が襲撃や陰謀に巻き込まれました。例えば、1792年のテュイルリー宮殿襲撃では、国王ルイ16世が民衆の暴徒に命を狙われる危機に直面しました。こうした暴力的な事件は、革命期の緊張感と政治的対立の激しさを象徴しています。
フランス革命期の暗殺事件は、革命の混乱と対立が生んだ悲劇であり、時にその方向性を大きく変える転換点となったのです。これらの事件を通じて、革命がいかに複雑で劇的な時代だったかを感じ取ることができますね。