ナポレオンはフランス革命期に何をした?

ナポレオンはフランス革命期に何をした?

フランス革命期、ナポレオンは砲兵将校として頭角を現し、軍事的成功で注目を集めた。革命政府を支えつつ、自らの権力基盤を固めたのである。本ページでは、フランス革命期のナポレオンの役割を理解する上で重要なこのテーマについて、さらに詳しく掘り下げ解説していく。

ナポレオンって、皇帝になってヨーロッパ中を戦争に巻き込んだイメージがありますけど、もともとはフランス革命の時代に登場したって本当なんでしょうか? 革命のどさくさに乗じて力をつけたのか、それとも本当に革命の味方だったのか…いまいちよく分かっていません。ナポレオンが革命の中でどんな役割を果たして、どうやってのし上がっていったのか、時代背景と一緒に詳しく教えてください!



「ナポレオン=皇帝」っていうイメージが強いかもしれませんが、じつは彼の出発点はフランス革命の中なんです。最初は無名の砲兵士官だったナポレオンが、気づけば国家のトップに――そんなサクセスストーリーが始まったのが、まさに革命の混乱期なんですね。


しかも彼は、ただの運じゃなくて、実力とタイミングをうまく掴んでのし上がっていきました。では、ナポレオンが革命期に何をして、どんな風に時代を変えていったのか、順を追って見ていきましょう!


革命の混乱を、軍人としてのチャンスに変えたナポレオン

1789年に革命が始まったころ、ナポレオンはまだ20代前半の若い将校でした。出身はコルシカ島。地元では独立運動に関わっていたこともあるんですが、革命政府に仕えることを選び、フランス軍でのキャリアをスタートさせます。


そして一気に注目を集めたのが1793年のトゥーロン攻囲戦。このとき、イギリス軍と手を組んだ王党派がトゥーロンという港町を占拠していたんですが、ナポレオンは砲兵部隊を指揮してこれを奪還。作戦のセンスと大胆な判断が革命政府に高く評価され、「この若造、なかなかやるな」と一躍有名になります。


それまでは無名の士官だったのに、この勝利をきっかけに将軍へと昇進。革命の混乱が続く中、彼は着実に「戦争の天才」として頭角を現していくんです。


ナポレオン、トゥーロン包囲戦にて

トゥーロン攻囲戦のナポレオン
(出典:Creative Commons Public Domainより)


混乱するフランス政府の“切り札”になっていく

その後も、ナポレオンの勢いは止まりません。1795年、パリで起きた王党派の反乱(ヴァンデミエールの反乱)を、彼は砲兵でズバッと鎮圧。あまりにも鮮やかだったので、政府から「この人、頼れる!」って感じで重用されるようになります。


そして1796年には、イタリア方面の遠征軍の司令官に抜擢。オーストリア軍との戦いでは、連戦連勝で大活躍。現地で和平交渉までまとめちゃって、「軍事だけじゃなく政治もできる」と大評判になります。


このころには、フランス国内でも「ナポレオンって、なんかすごいぞ?」という空気が強まり、政治に関わる道もどんどん開けていきました。 混乱の時代に現れた“頼れるリーダー”として、民衆の間でも人気が急上昇していきます。


革命を終わらせ、新たな時代を切り開いたナポレオン

そして1799年、フランス政治は再びグダグダに。総裁政府がうまく機能しなくなり、「誰かまとめてくれ~」という空気が広がっていく中で、ナポレオンはついに動きます。


軍の力を背景にブリュメールのクーデターを決行して、政府を事実上乗っ取り。ここからは統領政府のトップとして、事実上の国家元首になります。


この時点で「フランス革命」はほぼ終了。人々が夢見た理想の政治はナポレオンによって、もっと現実的で安定志向の体制へと再構築されていきます。


ナポレオンは教育制度や法律の整備(ナポレオン法典など)を進めつつ、国内をまとめ上げ、1804年にはついに自分で皇帝を名乗るようになります。
もちろん「皇帝」といっても、昔のルイ14世みたいな王様とは違って、革命で得たものをある程度引き継ぎつつ、独自の仕組みを作ったって感じです。


Coup of 18 Brumaire

ブリュメール18日のクーデター
1799年11月9日にナポレオン・ボナパルトがフランスの政治権力を掌握した事件。セントクラウド宮での緊張した瞬間を描く。
(出典:Creative Commons Public Domainより)


このように、ナポレオンは革命の中で偶然スターになったわけじゃなくて、混乱の中でチャンスを掴み、自分の力で時代を切り開いた存在でした。


「革命を守る軍人」から「国のリーダー」、そして「皇帝」へと、彼は革命とともに歩み、最後にはその革命を終わらせる立場にもなります。
ナポレオンの動きを知ることは、フランス革命の終わり方や、その後のヨーロッパの流れを理解するうえでも、とても大切なんです。