
フランス革命のことを調べていると、「民衆の革命」「市民の蜂起」みたいな言い方をよく見かけますが、実際に中心になって動いたのはどんな人たちなんでしょうか? 単に貧しい庶民だけだったのか、それともある程度の知識や力を持った人たちも関わっていたのか…「革命の担い手」と言える人々について、詳しく知りたいです!
|
|
フランス革命はよく「民衆が立ち上がった革命」と言われますが、その“民衆”って、実はけっこう多様な顔ぶれだったんです。
社会の底辺にいた労働者から、政治を動かそうとした中産階級、さらに理想を語った思想家まで、さまざまな立場の人々がそれぞれの想いを抱えて動いたからこそ、あれだけの大きな変革が生まれたんですね。
じゃあ、その中でも「この人たちが革命を前に進めた」と言えるような、主な担い手って誰だったのか? ここからは、3つのグループに分けてご紹介していきます!
まず、フランス革命の「実行部隊」としてよく名前が挙がるのが、サン・キュロット(sans-culottes)と呼ばれる都市の労働者層です。
「キュロット」というのは、当時の貴族や上流階級が履いていた膝丈のズボンのこと。それに対して、サン・キュロットたちは長ズボンに木靴という、庶民らしい服装で、「特権階級に対抗する存在」として知られていました。
彼らは物価の高騰や食糧不足、重税に苦しみ、「このままじゃ生きていけない」と怒りを爆発させて行動に出た人たちです。
バスティーユ牢獄の襲撃やヴェルサイユ行進といった実際の運動の先頭に立っていたのが、まさにこの層でした。
政治理論よりも生活の切実さから動いていた彼らの行動は、革命を“現実の力”として大きく前進させる原動力になったんです。
フランス革命の主体となったサン・キュロット
サン・キュロットの一員が槍を持つ姿を描いた1793-1794年の作品。フランス革命を背景に、彼らは革命的変革を推進し、社会的平等を訴えた。
(出典:Creative Commons Public Domainより)
一方で、フランス革命の制度や思想の部分を支えたのが、ブルジョワジー(中産市民層)です。商人、銀行家、弁護士、印刷業者など、経済的に成功していたものの、政治的な発言力を持たなかった人たちが多く含まれていました。
彼らはアンシャン・レジーム(旧体制)の矛盾を感じ、「もっと自分たちにも発言権が必要だ」と議会の改革を求めるようになります。
そして、国民議会の結成や人権宣言の採択など、政治の枠組みそのものを変える動きを主導していきました。
また、啓蒙思想に影響を受けたブルジョワたちは、「人は生まれながらにして平等だ」「社会契約によって政治は運営されるべきだ」といった理念を広め、革命の理論的な支柱にもなっていきます。
このブルジョワジーとサン・キュロット、立場や動機は違えど、一時的に手を取り合って革命を進めたという点がポイントなんです。
そしてもうひとつ、フランス革命の担い手として忘れてはいけないのが、ロベスピエールやダントン、マラーといった政治の現場で動いた革命家たちです。
彼らは議会での演説や新聞を通して革命の理念を広め、「民衆の代表」として国のかたちを変えようと奮闘しました。とくにロベスピエールは、「腐敗なき共和国」を目指して恐怖政治を展開し、敵とみなした者たちを次々と処刑に追いやったことでも知られています。
つまり、彼らは革命の“理想”を語る存在であると同時に、革命を暴走させるリスクも抱えた存在だったわけです。
結果的に、こうした政治家同士の対立や路線の違いが、革命の後半になるとどんどん表面化していき、やがてナポレオンの登場へとつながっていくんですね。
このようにフランス革命を支えたのは、生活の怒りを原動力にした庶民たち、理想を描いた知識人たち、そして政治の現場を動かした革命家たちという、複数の層でした。
それぞれが異なる視点と目標を持ちながらも、「この国を変えたい」という思いで一致団結したとき、あの巨大な革命が実現したんです。
誰か一人の手柄ではなく、いろんな立場の人たちの熱と行動が重なり合ったからこそ、世界を揺るがすような出来事になったんですね。
|
|