
フランス革命ってイギリスにも影響を与えたの?イギリス人はフランスの革命をどう思ってたの?
フランス革命(1789–1799)は、イギリスにもさまざまな形で影響を与えました。最初に注目すべきは政治的な反応です。当時のイギリス政府は、フランス革命を「危険なもの」として厳しく批判し、これが国内の保守派と改革派の間の緊張を高める要因となりました。たとえば、ウィリアム・ピット首相は革命に対する厳しい政策を取り、反革命的な姿勢を強調しました。一方で、エドマンド・バーク(1729–1797)は著書『フランス革命の省察』で革命を激しく非難し、その保守的な論調が多くの支持を集めました。
一方で、革命に共感する人々も少なくありませんでした。トマス・ペイン(1737–1809)は『人間の権利』を著し、革命の理念を熱心に擁護しました。これがイギリス社会に「自由」と「平等」の理念を広め、特に労働者階級や急進的な思想家に影響を与えたのです。ただし、こうした思想的な広がりに伴い、革命を支持する活動が政府によって厳しく取り締まられることもありました。
トマス・ペイン/ジョージ・ロムニー作、1792年
アメリカ独立戦争時の重要な政治思想家で、フランス革命期にも積極的に関わったペインの肖像画。
(出典:Creative Commons Public Domainより)
そしてもう一つ、文学や芸術の分野でも革命の影響は明確です。ウィリアム・ワーズワースやサミュエル・テイラー・コールリッジといったロマン主義の詩人たちは、初期の革命に希望を抱きましたが、後の「恐怖政治」による失望も作品に色濃く表れています。こうしてみると、フランス革命はイギリス社会に強い思想的・文化的刺激を与えたといえるのです。この影響の幅広さが、二国間の歴史の深いつながりを物語っているわけですね。