フランス革命一問一答

フランス革命一問一答

当サイト『フランス革命一問一答』で、フランス革命を理解する上で重要な疑問とそれに対する回答をまとめています。ヨーロッパ史、ひいては世界史をゆるがしたこの画期的事件を、政治・経済・社会・文化さまざまな側面から学び、その本質を探っていきましょう!

フランス革命って何?

1789年、フランスを揺るがせた革命が世界史の一大転換点となりました。このフランス革命は、旧体制(アンシャン・レジーム)を打倒し、新たな社会秩序を生み出す壮大な試みでした。なぜ農民や市民が立ち上がり、貴族社会を揺るがす事態となったのでしょうか?以下で、革命の背景、主要な出来事、そして現代への影響を掘り下げていきます。

 

 

何故起こった?

社会の不平等と旧体制の行き詰まり

アンシャン・レジーム下のフランスは、貴族や聖職者が特権を享受し、第三身分と呼ばれる一般市民が重い税負担を強いられる不平等な社会でした。この構造的な格差が国民の不満を大いに高めたのです。中でも飢饉や貧困が広がる中、王室の浪費が国民の怒りを一層増幅させました。

 

第三身分 1789

第三身分、1789年
フランス革命前の第三身分と特権身分の社会的不平等を風刺したイラスト
(出典:Creative Commons Public Domainより)

 

財政危機と国王の無策

ルイ16世(1754–1793)が即位した頃、フランスは深刻な財政危機に陥っていました。特にアメリカ独立戦争への支援で国庫が空になり、莫大な借金が積み上がっていたのです。しかし、王室は有効な改革を行うことができず、改革案がことごとく頓挫しました。これが革命の火種を形成しました。

 

Louis XVI by Antoine-François Callet, 1788

ルイ16世(1754–1793)/アントワーヌ=フランソワ・カレ作
ルイ16世の治世における財政危機がフランス革命を引き起こす直接的要因となった。
(出典:Creative Commons Public Domainより)

 

啓蒙思想の広がり

17~18世紀に隆盛を極めた啓蒙思想がフランス社会を大きく変えました。「自由」「平等」「友愛」といった理念が知識人だけでなく一般市民にも広がり、既存の体制を疑問視する風潮を後押ししたのです。この思想的な土壌が、革命の口火を切る準備を整えたわけですね。

 

ヴォルテールの肖像

ヴォルテール(1694 - 1778)/ニコラ・ド・ラルジリエール作
フランス・パリ出身の啓蒙思想家。専制批判、自由、寛容、理性を重視し、フランス革命の思想的基盤を築いたことで知られる。
(出典:Creative Commons Public Domainより)

 

何が起こった?

バスティーユ襲撃

1789年7月14日、パリ市民が象徴的な牢獄バスティーユを襲撃しました。この事件は革命の始まりを告げる象徴的な出来事であり、王権の威厳が大きく損なわれました。バスティーユ襲撃は、民衆が旧体制に対抗する姿勢を明確にした瞬間でもありました。

 

Storming of the Bastille

バスティーユ襲撃/ジャン=ピエール・ウエル作
フランス革命の号砲となったバスティーユ牢獄襲撃事件を描いた絵画。中央には牢獄司令官を務めたド・ローネーが連行される姿が描かれている。
(出典:Creative Commons Public Domainより)

 

王政の廃止と共和政の樹立

1792年にはルイ16世が退位させられ、フランスは共和政へと移行しました。その後、王と王妃マリー・アントワネット(1755–1793)はギロチンで処刑され、これまでの王権が完全に否定されることになったのです。

 

マリーアントワネットの処刑への道

マリーアントワネットの処刑への道
1794年、革命の混乱の中で処刑場へと連れて行かれるマリーアントワネットを描いた作品。
(出典:Creative Commons Public Domainより)

 

ロベスピエールと恐怖政治

革命は一時的に熾烈化し、ロベスピエール率いるジャコバン派が強権的な体制を敷きました。「恐怖政治」と呼ばれるこの時代には、多くの反革命派が処刑され、国内が混乱状態に陥りました。ただし、この恐怖政治も革命の進行には重要な役割を果たしました。

 

Jeanne and Virginie Rescued from the Massacre

ジャンヌとヴィルジニーの救出
1888年、ジョハン・ネポムク・シェーンベルクによる挿絵。フランス革命中の恐怖政治時期、虐殺から救われた二人の女性の物語を描く。この時期はフランス革命後の政治的混乱と暴力が極まった時代である。
(出典:Creative Commons Public Domainより)

 

何を遺した?

人権宣言と近代民主主義の基盤

フランス革命は「人および市民の権利宣言」を生み出し、基本的人権と民主主義の基盤を築きました。この宣言は、後の憲法や人権運動にも大きな影響を与えています。人類の歴史における画期的な瞬間だったといえるでしょう。

 

Declaration of the Rights of Man and of the Citizen

『人間と市民の権利の宣言』/1789年
フランス革命の中心的な成果であるこの文書は、人間の普遍的な権利を宣言し、近代民主主義の基礎を形成、法体系の発展に大きな影響を与えた。
(出典:Creative Commons Public Domainより)

 

ナポレオンの登場

革命の混乱を収束させたのはナポレオン・ボナパルト(1769–1821)でした。彼は国内を安定させるとともに、法典や行政改革を進めました。フランス革命の理念をヨーロッパ各地に広めた彼の登場は、革命のもう一つの成果だったといえます。

 

ナポレオン・アルプス越え

ナポレオン・アルプス越え、ジャック=ルイ・ダヴィッド作
軍人としてのナポレオンの強力なリーダーシップと戦略的才能を象徴する肖像画。
(出典:Creative Commons Public Domainより)

 

旧体制の終焉と世界的影響

フランス革命は他国の君主制にも波及し、ヨーロッパ全体で民主化運動の潮流を生み出しました。また、封建制度の廃止や社会変革のモデルとして、多くの国々で参考にされました。

 

1848 Revolution in Berlin

1848年革命期のベルリンにおけるバリケード戦
1848年3月、革命終息後の反動体制「ウィーン体制」に対する反発がドイツ各地で高まり、民衆がバリケードで立ち向かった様子を描いた絵画。
(出典:Creative Commons Public Domainより)

 

日本の明治維新にもフランス革命の影響が見られるとされています。

 

以上、フランス革命についての解説でした!

 

ざっくりと振り返れば

 

  • アンシャン・レジームの不平等が背景
  • バスティーユ襲撃や恐怖政治などの重要な出来事
  • 民主主義や人権思想の基盤を形成

 

・・・という具合にまとめられるでしょう。

 

ようは「フランス革命は近代民主主義の礎を築いた世界史の重要な転換点である。」という点を抑えておきましょう!以下でフランス革命に関する一問一答をまとめていますので、さらに詳しく知りたいという方は参考にしてみてください。